光のきざはし - 15章 XREA.COM

人間。物を『創造』する『手』を与えられたもの。
『創造』。『混沌』から生まれた世界。名もない造物主の産物。
人間は造られたもの。人間は造るもの。
造られたことを忘れて『秩序』の中で物を造る。
人間は驕る。
『秩序』は世界そのもの。守るのは精霊。
造物主に近い存在。
『創造』は人間に。『秩序』は精霊に。改革と維持。
違うものだから二つは共にある。力を与え合う。
遠い昔の契約。
しかし
人間は驕った。私利を求める。
混乱の時代の訪れ。
不毛の土地。赤い水。破壊、虚言、悲愴、そして堕落。
破られた契約。
人間は絆を失った。
それでも人間は
『秩序』の中にしか生きられない。
『秩序』。定められた天則。存在を規定するもの。
人間は精霊の恩恵なしには生きられない。
忘れられた事実。忘れられた存在。
失われた絆は人々を狂わせる。
崩れていく均衡。届かない警告の声。
声を聞いた者も力なく時の中に消える。
やがて訪れるだろう。
『秩序』の外を求める『創造』。
それは世界の『破壊』。『秩序』の外にあるのは『混沌』。
『混沌』の中では人は生きられない。生もなく、死もない。
『創造』の末に行き着くのはすべての始まりなのか。
人はそれを望むのか。それは必然なのか。それとも愚者の過ちか。
見定めるのは『秩序』を維持するもの。天則の守護者。
絆を求める者の手を取りて最期の時に現れる。
人間に与えられた最後の選択。
新たな『創造』の名のもとに『破壊』を求めるのか。
再び絆を取り戻すのか。
決めるのは人間。審判は精霊。
審判者は見定めるのみ。
『秩序』は造られたものだから。
天則は『創造』されたものだから。
人間は『創造』できる。それが自己の『破壊』となろうとも。
精霊は天則を守り、従うもの。
その存在の有も無も『秩序』の定めに従うのみ。

  そして今  審判の時が  訪れる